『へび卵砦』第二機甲師第三部隊 最終機動兵器『AHO-01』号/小説家になろう感想

 旧ブログからの転載です。一部修正。

 見つけた経緯について。なろうで「アリアンローズ応募作」で検索をかけてひっかけたはず。当時(2013~2014くらいだったかな)は「アリアンローズ応募作」という検索ワードで探すだけで女の子が主人公の新作がばんばんヒットするという、読み手にとって嬉しい悲鳴が止まらない状況でしたね。だいたい週末に検索かけて新作ひろってたけど、いま思えば時間に余裕がないとできないワザ/(^o^)\

 以降の内容はネタバレを含んでいます。ご覧のかたはご了承ください。

『へび卵砦』第二機甲師第三部隊 最終機動兵器『AHO-01』号/馬頭鬼 さん作

 男性が極端に少ないという『プリムラ卵』から傭兵として最前線に出稼ぎにきたアドリア=クリスティという名の少女は、【死神】という二つ名の隊長の元で働き始める。 
 とは言え、少女の目的はただ一つ。
 ……婿探しにあったのだった。

小説家になろう あらすじより

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 義務教育を終えてすぐ、私は故郷である女性だらけの惑星コロニー『プリムラ』を飛びだした。故郷ではのぞむべくもない、ささやかな願い――男性との恋愛結婚をなしとげるためだ。選んだ先は、企業同士の代理戦争が繰り広げられる最前線。危険な場所ほど、真実の愛が生まれる……学生時代に観たムービーをまるきり信じたわけではないけれど、背中を任せ、助け助けられるという『理想の関係』を、ここで見つけることができるかもしれない。
 とはいえ……ここは激戦地の『へび卵砦』。私、もしかして、早まってしまった?

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 みたいに、思わず一人称であらすじを書きたくなってしまうような、イケイケ女子によるノリノリ婚活作戦! という雰囲気の物語です。

 これ、どこから紹介したらいいのかしらっと、面白ポイントが多すぎて困っちゃうくらい、面白いんですよ!

 このお話、宇宙開発がかなり進んだ時代のSFを舞台にしているんですね。系外惑星とかに進出しまくって、国家よりも軍事系の巨大企業が絶大な力を持ち、傭兵を雇って惑星資源を奪い合う、みたいな時代です。人々は過酷な惑星環境の上に『卵』と呼ばれる居住コロニーを建設して、そこで暮らしている。……って時点でもぉアーマード・コアが好きな読者はメロメロじゃないですかw(私のことだ!)

 主人公のアドリア=クリスティは『プリムラ卵』という女性だらけのコロニー出身。アドリア自身、凛々しい見た目(←ここ好き!)なことも相まって、故郷では女性限定だがスーパーモテモテ状態。安室ちゃんが歌っていたようなMMK(もてて・もてて・困る)! ところがアドリアの理想は男性との恋愛結婚にあるわけで、このままじゃマズイとゆーわけで故郷を飛び出して、学生時代に観たビデオ(危険な場所ほど真実の愛が生まれるとかいう三文ストーリーw)を信じて、戦場に身を投じてしまうのであった……なんたる直情径行でしょう。大変にカワイイです(>_<)

 そういうちょっぴり夢見がちな状態で、最前線の『へび卵砦』に放りこまれて、妄想通り(!)の良い男ぶりの上司のもとに配属されて、めくるめく恋愛ドラマが……はじ……はじまら……はじまらない……というお話でした。ドラマチックが始まらない!笑

 それどころか、配属されて日数も経たないうちに、戦況が転がり落ちるように悪化して……おまけに理想の上司サマには女の影があるというハードモード。

 あわれをもよおすほどの妄想癖アンド勘違いに隠れがちだけど、道化としてではなく、砲手の才能がメキメキのびていくというカッコ良いシーンも、アドリアにはもちろんあるんです。ただ恋愛ドラマがはじまらないだけで……。がんばれアドリア! 負けるなアドリア!! 最終話でなんかスゴイそれ騙されてる……って思ったけど、本人が幸せなら、問題ないよね!!!

 個人的にめちゃくちゃ面白かったというか、これはwwwやばいwwwと思ったのが、さっきも書きましたけど、最終回の展開ですね。憧れの上司ことヴォルフラム隊長がアドリアにプレゼントしたものが……感動……感動すんのかこれ……?

 隊長がどうやって調達したかの過程を考えてはならない(戒め)