邀撃捜査線 カサンドラ・パラドクス/小説家になろう感想

 旧ブログからの転載です。一部修正。

 見つけた経緯について。旧ブログに本作品に関するメモが残っていなかったので、あらすじと小説情報を見て、たぶんこれじゃないかな~という感じですが……たぶん、キーワード「傭兵」で引っかけたんじゃないかと思います。各話が掲載された日から推察すると、2011年のどこかで読み始めたと思われます。

 本記事はネタバレを含んでいます。閲覧するかたはご了承ください。

邀撃捜査線 カサンドラ・パラドクス/義忠 さん作

 2020年、東京──
 街中に設置された監視カメラや上空を飛ぶUAV からの映像情報と、それをタイムラインに沿って蓄積・分類する大規模記録媒体(ストレージ)とデータベース・システム、そこに次世代の産業基盤技術として開発された未来予知システムを組み込んだ究極の都市防災システム「グランドスラム」によって護られた近未来の東京で、プロの傭兵部隊と思しき謎の重武装集団による襲撃事件が勃発。
「グランドスラム」導入により犯罪発生率自体は抑制されつつも、既存の警察機構では対処不能なほど尖鋭化するであろうと想定される重犯罪に対処すべく設立された警視庁捜査1課重犯罪邀撃捜査班、通称「カウンター・ストライカーズ」に出動命令が下った。
 邀撃捜査班の新米班員の潮 由加里は、直属の上司でもある傭兵上がりの刑事・武藤 櫂とともに、謎の武装集団への捜査に乗り出す。
 近未来ハード・ポリスアクション!

小説家になろう あらすじより

 既にあらすじの時点でめちゃくちゃカッコいいので、私が紹介文を付け加える隙も無いという感じなのですが、書いてみました。↓↓↓

 ごくごく普通のミニパト婦警だった潮由加里の日常はとつぜん覆された。自衛隊の訓練にぶち込まれたり家屋突入・パラシュート降下訓練をさせられたりしたけれど、警察の国体選手にでも選ばれたと解釈していたら、ある日知らされた「邀撃捜査班」への転属。周りの人間はどう見てもカタギではない傭兵上がりの大男に、法に触れてそうなハッカー、怪しい女研究員――しかも、いつの間にか自分も「そっち側」の人間に近づいている! 戸惑いながら新しい職場に慣れようとする由加里だが、現実は無情な事件を彼女に突き付ける……。 っという雰囲気の物語です。

 近未来ハードSFアクション! かっこいい!(>_<)

 高性能のスパコン+警察の監視カメラ+衛星の組み合わせで犯罪の未来予知を行う超法規的なシステム「グランドスラム」。このシステムによって未来の日本では犯罪が減った……みたいな背景なんだけれども、普通の犯罪が減る一方で、システムの穴をついたかのような凶悪犯罪が浮かび上がってきた、という。手を焼いた警察組織は対凶悪犯罪向けの「邀撃捜査班」を投入。このあたりの話の持っていきかたが、不謹慎かもしれないけれど、イタチごっこの様相を呈していて面白い。しょぼい事件は減るけど、その代わりに発生する事件はほとんどがサイバー対策で裏打ちされた超凶悪なものになってしまうという……。

 主人公(?)の潮由加里は邀撃捜査班に配属された元ミニパト婦警さん。クソ上司(すみません)の武藤に比喩でなく文字通りボロクソにされながら、持ち前の気合と根性と鈍感スキルで立ち向かっていく姿がステキ……。作中、頭を何回叩かれてるんだろう。笑

 専門用語がホイホイ出てくるけど、たいていのシーンで何も知らない由加里に誰かしらが解説を加えてくれるので(無視されることもあるけどw)、由加里と一緒に物語に沿って行けばワクワクドキドキの物語を楽しめます。近未来SFのカテゴリだとは思うんだけど、作中に登場する技術は現代にもあるものなので、それらの要素を極限にまで高めて組み合わせればこういう犯罪も起きるんだろうなあって……怖いけど、エンタメとしては最高に面白い。

 恋愛? そんなものはない!!(武藤はかっこいいぞ!)

 脳筋な女主人公が好きで、クライムアクションが好きで、有能だけど情緒面がクソな上司が好きな人にお勧めしたい作品です。