アトゥルシカ神国物語シリーズ/カクヨム感想

 旧ブログから転載です。一部修正。


変更履歴
  • 2020/03/29
    • 掲載先にあわせてあらすじを変更
    • 章立てが分割になったので記事タイトルをシリーズにしました
    • カテゴリをカクヨムに変更

 見つけた経緯について。記憶が定かでないのですが、小説家になろうで「女神」で検索かけて見つけた……ような気がする……ような……いや誰かのお気に入りをたどったんだったかな……でも検索窓の履歴見てると「地方 ファンタジー」で引っ掛けた説が怪しいな……という感じです。時期は2015年あたりと思われるのですが、うろ覚えでよくわかりません。

 以降の内容はネタバレを含んでいます。ご覧のかたはご了承ください。また、紹介用のリンクは第一部へのものになっていますが、内容はがっつり以降のものにも触れています。

アトゥルシカ神国物語Ⅰ ~メルと魔術師の街~/月谷実夕 さん

孤独な少女は獣車に揺られて魔法の世界へ――

魔獣たちの棲む森の中に、孤島のように開けた国、アトゥルシカ神国。
そこでは女神の化身のもと、魔術師たちが国の頂点に君臨していた。
時は、神国に敵対する反乱組織の、悪魔の呪いに怯える時代。
孤児のメルは貴族の養子となるが、十三歳目前まで地方に預けられていた。
いま、主都アトンで貴族としての暮らしが始まる。
学園での友達との出会い、奇怪な事件、騎士との冒険――様々な体験の中でメルは成長していく。

カクヨム あらすじより

 悪魔の力を借りる<サラマイヤー>と精霊たちの恩寵を受ける<貴族>。十三歳の少女メルが母から招かれた地は、相反する二つの組織が水面下で覇を競い争う首都アトンだった。地下に広がる魔術師たちの街、新しい家族、初めての友人、人間を寄せ付けない森<フォーレ>、それから、不意にすぐそこで息づく死と闇の気配。田舎暮らしの頃とはすっかり変わってしまった環境の中で、もがきながらもメルは進むべき道を選び取ろうとしていた―― っという雰囲気の物語です。

 まずもって最初の第一話(魔術師たちの街)からして、もう、超ド直球の硬派なダークファンタジーですよ!(興奮) 巡りゆく星の光に煌々と照らされる神国とか、人を拒む魔物の森とか、地下に広がる魔術師の街とか、もう、ファンタジー好きホイホイここに極まれり。この世界観にどっぷり浸っていたい。

 全編を通して薄暗い、不穏な、死と闇の気配がムンムン漂う本作品ですから、そこで懸命に生きていこうとするメルが健気なんですね。新天地でなじもうと頑張る→事件が起きる→頑張る→事件が起きる→頑張る……そう、健気なんですよ、とにかく。

 第一部では事件がいろいろあったけどメルや友人たちの目指すべき道が見つかって、さあこれから、と展開した第二部で事件が起きてそれなりに活躍して解決して、うんうん、メルは強くなったなあ……スカーかわいいとこあるよね……とか感慨にふけっていたら二部の途中でどえらいことになって(2016/02/29時点の感想です)、リアルタイムで更新を追いかけながらめちゃくちゃアワアワしました。たぶん、この時期、この作品を読んでいるほとんどの方が、アワアワしている状態だったのではないかと思いますw(笑いどころではない!!)

 本作の素敵なところ、たくさんあるんですけど、特にいいな~っと思ったのは世界観かなあ。創作ファンタジーで、登場人物がその世界に暮らしている感がすごくある! 文化から生活様式から、生態系まで未知の体験の連続で、読んでいてとても面白い。あと、もう本当に個人的な嗜好の話になってしまうんですけど、破滅まっしぐら系ヒーローが好きなので、リートが……なんていうか……最高ですね!笑